2017年4月24日月曜日

北上ひと育て・まち育て研究集会






参加された3人のレポートです。

〇山形市の後藤好邦さんのレポートです。

無事、秋田に到着
秋田メンバーとの交流会の前に昨日のふり返りをします。

昨日の研究集会
ゲストの皆さんは岩手県内で中間支援でご活躍されている豪華な布陣でした。
このような方々が一堂に会することができたのも、コーディネーターを務めた菊池 広人さんの人望によるところ大だと思います。

そのような素晴らしきゲストの皆さんから数多くの気付きをいただきましたが、その中でも、特に印象に残った言葉をご紹介します。

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NPOは専門性はあるが横の連携は弱い 
 → だから、ネットワーク化する必要性あり

判断は地域に委ねる(ここが大事)        

手法は大体ある
 → TTPしていけばよい

協働の意義
 ①取り組みの質が高まる
 ②課題解決に向け長期的な視点で対応できる
 ③豊富な人材の活躍の機会づくり
 ④新しいことを生み出すきっかけづくり

行政だけでまちづくりをしない
 → 強みの掛け算が大事

交流センター:まちのなんでも屋
 →いろいろと大変なことがある
 →何とかやってこれたのは・・・
   ・上司や仲間に恵まれた
   ・地域の魅力を知ることができた
   ・人とのつながりができた
   ・誰のためにが目に見えたこと

自治協議会 → 地区全体の合議体(公平性、公正性)
 →隙間を埋めるもの=NPO

釜石市のオープンシティー戦略
 どれだけ本気で関わる市民がいるか
 どれだけ本気で関わってくれる人や企業があるか

多様な個人の生き様が21世紀の公共をつくる

人がその人らしく暮らせるために
本当はこうなのになあ
を普通にする
勇気が生まれる空間を間とする
(時々、間違うかもしれない)

試行を通じてしか、理解されない
汗をかかなければ、信頼されない

行政において民間出身の人が活躍できるための条件
 ①意思決定のプロセスが元々違うことを理解する
 ②評価を逆輸入する
 ③もともとある財源を他に振り向けることは難しい
  いろいろな国庫補助があるが使い切れていない
   →活用するための提案をしていく

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なお、最後に私の感想から・・・

・住民の多様なニーズに応えるためには
 多様なセクターがまちづくりに関わることが必須
・そして、それぞれのセクターの強みを足すのではなく
 強みを掛け算にしていくことが大切
・このプロセスで重要なのがセクター間の間(ま)のとり方
  ↓
いま、バスの再編に関して、いろいろなセクターの利害を調整しながら準備を進めていますが、正に「間」のとり方の重要性と難しさに直面していることから、そこを誤ると、正に「まぬけ」な取組みになるなぁと感じたところです。


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〇北海道清水町の前田真さんのレポートです。

「対話と合意からしか未来は描けない。」
岩手県北上市の北上ひと育て・まち育て研究集会に参加してきました。
間抜けという言葉がありますが、世の中にはたくさんの間があります。
私の業界でいえば行政と市民、他にも生産者と消費者、大人と子どもなど、本当はこうだったらいいのになーと思う「間」が生活してく上でたくさん存在しています。
この日は、「間」というものを文脈にしながら、様々な切り口で、中間支援に奮闘する9人のゲストスピーカーからお話を伺いました。
切り口は3つ。
「基礎自治体」「地域コミュニティ」「震災復興」。
どの切り口でも随所にでてきたことは、「補完性の原理」そして「継続的な対話と合意形成」さらに「誰のため何のために自分たちは存在するのか」ということ。
世の中には様々なステークホルダーがいて、それぞれが自分の想いで豊かな地域社会をつくろうとしている。それは行政だろうが民間だろうが自治協議会だろうがNPOだろうが関係ない。
ただ、お互いにほんの少しその手法や役割が違うだけ。
すべての機能を自分たちで賄うのは、とっても難しいし、何よりなんだか疲れてしまう。
自分たちの得意分野、苦手分野を認め、苦手なところは素直に支援を求める。
さらにお互いの価値観を否定せずに多様な人材が活躍する社会ができれば、少しずつ「間」はうまっていく。
でも、やっかいなことに、どんなに「間」を埋めていっても、時代や社会の成熟度合いによってそれはどんどん変化する。
過去の経験や思い込みだけでは、未来はきりひらけない。
豊かな社会をつくるためには、いつの世も自治というものに愚直に向き合うしかないのだ。
そんなことを改めて感じた集会でした。
まずは清水町で、福祉の「間」をうめるぞー。
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〇石川県能美市の嶋田准也さんのレポート

2017.4.22 まぬけな社会にならないように今わたしたちができること
「豊かな公共と中間支援組織ー間から生まれる未来」
嶋田が感じた所感は、人間は社会的な生き物であると改めて感じたこと。「間」は自己と対象がいることで生まれるし。「対話が大切」ということはタスクゴール(理念の共有)の話。それがなんとなく同じベクトルと問題意識を共有されていれば、それぞれがそれぞれの役割で間を埋め、「よかったね」と言い合えるような社会となるプロセスとリレーションシップゴールの話(合意)。分かり合えていれば、喜びも掛け算式に大きくなる。→ユーサイキアの社会へ。
まずは相手の話を聞いて受け入れるオープンマインド必要だなあと。
・埋めなければいけない間と、しんどくなっている間と、そのちょうどよい距離感の模索。
・多田さんの「後方支援」という言葉。行政はよく使うけど、間のことを考えたときに、【足りないところを補う】ことが後方支援だと考えれば、最前線に立つこともありうるんだと。安全地帯にいることが後方支援じゃないなと。
・東洋哲学的な「間」という概念はやっぱりもっと勉強したい。
あとは、岩手は30.40代がまちづくりの中心としてプレイヤーがたくさんいるのは、羨ましくもありながら、こっちはそこまでまだ危機感がないしあわせな地域なのかもしれないと思いながら。でも同世代ですごいことしてる人たちがたくさんいることは、やっぱり負けてられないなと。
以下、メモ
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【第1部 基礎自治体と中間支援「基礎自治体における中間支援の役割」】
まちづくりをサポートする機能が自治体にあるのが岩手型のしくみだが、これからの役割として、きたるべき制約を前提として、間を繋ぐ役割、どんなことが必要なのか?
一関市:小野寺さん(いちのせき市民活動センター長)
・行政と住民はそれぞれいう。それぞれの言い分を踏まえながら繋ぐ役割を。
・課題解決は誰がやってもいいけど、アクション前にみんなで話し合って、合意形成しましょう。
・まちづくりと言いながら、何もやらない人がいる。まちづくりに情報を提供し実践者を増やす。
・自己実現をしたい。自分の特技を発揮したいという時代。人材登録。
・しっかりと共有、理解、アプローチを広げて、話し合いを機能させるのが一関の特徴。
花巻市:葛巻さん(花巻市民活動支援センター)
・持続可能な仕組みを作る人:ファンドレーザー。ある一定のノウハウを持つことを視覚化することで、市民活動の認知をアップや人材育成をしていきたい。
・世の中はミスマッチで溢れていいる。
・特定のテーマで話し合うことにより相互理解が進み、お互いの活動を応援し合う関係性が生まれていく。
・「まで埋める」じぶんでできること、何ができるかわからない、という個人に参加の機会(成功体験)を作る場をコーディネートしている。
・成功の秘訣は、続けること。
北上市:佐々木さん(元協働担当者)
・協働の意義:取組の質が高まる(それぞれの活動:組織の補完で強み弱みを)②課題解決に長期的視点で対応できる、専門性の確保③人材の活躍の機会づくり④新しいものを生み出すきっかけづくり(アボガドシー機能)
・「多様な」ステークホルダーのつながりの中でイノベーションを模索するプロセスそのものが求められてるのではないか?繰り返すことでまちの力が増す。
ダイアログ:
・ファシリテーションとチームビルドでのさりげないフォロー。チームビルドの話なんだな。関係性を作っていくプロセス。ファシリテーターの仕事を見せることが大事。(小野寺)
・コミュニティの中で人を育てることがたいせつ。コミュニティとは何者なんだ、と行政と一緒に回ったのがきっかけ。行政からいっても、やらされ感しかない。中間支援から話すと、必要性が受け入れられやすい。
・NPO職員、ソーシャルに関わる仕事を人気の職にしたい(葛巻)
・中間支援から行政に求めていること。→行政だけでやろうとしない。強みの掛け算していこう。行政だけでまちづくりをしちゃいけない。パートナーと一緒にしよう。行政で協働が進まないのは、行政内で協働がすすまない。行政が地域にお願いをするだけでなく、地域の意見を取り入れること。昔作ったものは、本当に、いま制度としてあっていますか?中間支援がない状態という社会が一つ進んだ社会ではないか。(小野寺)
・行政しかできない中間支援とは?→情報の信頼性としての行政の使い方。資源の配分を決めていく。戦略を立てるだけで、思いを汲みつつ、どこが本質なのかを形にしていく。分野だけでなく、世代間のつながりを意識することも必要なのではないか。今後の制約を前提として、イノベーションの取組を。(佐々木)
【第2部 地域コミュニティの中でのコーディネーターの役割】
北上市では、総合計画の中に各地元協議会ごとの地域計画が位置づけられている。実施計画の中で、地域の計画と市の計画をすり合わせる。そのなかで、市民コーディネーターの役割を探る。
及川さん(二子地区)
・「二子とは?」キーワードを作ろう。水と緑と漁親の里、歴史、文化の里、いものこの里、民俗芸能の里。
・認めてくれれば住民は燃える
・若い人に委ねていきたい
菅野さん(口内地区)
・現実・町の何でも屋さん(地区の団体の事務局すべて)
・「だれのために」がみえたこと 喜ぶ顔が見れる。
・街から出ていった人とつなぐ事業。
・やってみよう、あるがままを受け入れる
小田島さん(黒岩地区)
黒岩とんたくん:ふるさと納税返礼品全国お得ランキング第2位の評価→もとは、「迷惑施設」といわれた豚小屋のお肉。限定出荷している。
地域の課題を解決する(持続可能)な担保:ビジネス化→自治会では難しいのでNPOで運営。
ダイアログ:
・・地区のものは地区のものでしかない。行政の質問や取り上げは、現実と合ってない。
・NPOして、充実している。お金としての結果がみえる。NPOをたちあげるとき、自治会に対しての協力関係は忘れられる。(梯子外される)。宅配弁当は再開したい。小田島さん
・がんばっていれば、地域の人は見てくれる。協力はしてくれない事があっても、足は引っ張らない。息子が東大出て、外務省に出たと自慢しても、その息子はここの活動には来ない。ここにいる人しか、地域をまもることはできない。(及川さん)
・交流戦センタに入る人は、行政のルールにならないように。交流センターが良くなるように、携わりたい。活動の中で、山に携わったので、木を切り出したい。デイサービスには男性こないので、そのしかけ。口内の自叙伝づくりしたい。(菅野さん)
地域で働くことが、つらくなったり、特性を活かせなくなったりすることがある。交流センターで働くことが幸せになるようになったらいいのではないか。地域に携わって生きていくことが幸せになるように。
【第3部 震災復興と中間支援「コーディネーターからチェンジメーカーへ」】
震災をきっかけに多くのチャレンジが生まれ続けている。震災を機会として捉えたときに、未来に向けてなにができるか。
石井さん(釜石市役所)
・間とは。理想と現実のギャップ。物理的なスペース
・同持続可能性に挑戦いていくのか? 住宅→なりわい暮らしの再生→挑戦
・オープンシティという言葉に込められた哲学:多様なつながりを育み、誰もが自己決定を実現できる、レジリエントな地域社会。
・どれだけアクティブな人がいるか。どれだけ、釜石に協力してくれる企業がいるか。
・多様な個人の生き様が21世紀の釜石をつくる
・未来:与えられるもの→自ら作り出すもの
・オープンシティ戦略のKPI 多様な市民のまちづくりの参画を実感できている。
・実感できていると思う人は、復興している、釜石に呼びたいと思っている相関が高い。
・試行錯誤の結果論での起業連携。偶然性の場をうみだすこと。
・多様な関係者、財源、事業領域。 
・選ばれる地域となる理由・文脈の創出。
多田さん(遠野まごころネット)
・英語に直すと適当な言葉がない。
・東洋思想で 自由空間 あるときはちょうどよく、あるときは生死を分ける空間。ともえ
・元気が人が集まってやることだけが地域づくりなのか??
・地域の中の要素を考えるべき。高齢者も生活困窮者もすべて。その人に合わせてみんなで取り組む。
・間には、対象が必要。自己がいないと、間もできない。存在と間だけでは、まさに間抜け。間抜けにならないためには何かが必要。→希望、光。光が見えた時に人は動き出す。
・中間支援組織は何をする組織なのか:希望が無ければ人も社会も動けない。 中間支援は、まず小さな光を見つけ出すこと。
・後方支援とは、一歩引いた取組じゃない。前方にいて手が回らない事を埋める存在になる支援のこと。時には前にもでる。
・社会に明確な目標があるか。光は見えるか、希望ああるか。その本当の目的を見つける 必要なことの一つが、中間支援
・人がそのひとらしくくらせるために ほんとうはこうなのになあ をふつうにする 勇気が生まれる空間を 間とする (世の中を変えるのは努力じゃなく勇気だ)
・多くの行政が向き合わない、本当はこうだったらいいのに、を普通にして、正面から向き合い できる方法を探し、実現する
・遠野まごころねっとは、本当はこうなのに を大切にしてきただけだった
中心市街地を支える人たちは、その回りにいる人たちにいる。それなのに、中心市街地の人だけで考えるのはおかしい。足りない。
・みんなが考えない一次産業はチャンスだな、と思った→ブルーオーシャン戦略
・ヘルパー30歳の給料が他地域と10万円違う。持続可能を考えるなら、単費1億とか出せば人材確保実現する。それを言うのも中間支援の役割。
臂(ひじ)さん(大船渡市)
・私はコーディネーターではないです! エリアマネジメント・
・行政から歩み寄っていけるような関係性。民間の人は、譲る。
・試行を通じてしか、理解されない。汗をかかなければ、信頼されない。
・プロセスを見てもらっての評価だと思ってる。
・長浜の黒壁も1店舗から始まりました。最初は馬鹿だと思われたらしいです。
・行政・耐用年数 民間・賞味期限の話をする
まぬけな社会にならないために大切なこと?
・多様な財源、関係者、異なる関心を同じアジェンダ化する。みんながやる努力。理念の共有(石井)
・人は間抜けでもいい。社会に対してはそれぞれが自分の役割をどう活かすか考える。実験するフィールドができた。試行の場として捉えて目指すまちづくりにとりくむ(臂)
・間抜けでいい、本人は。それを周りに埋めてもらう。うめあえるこころの寛容さ。人のことを一番に考える。主役が、おりあいをつけるのが人に優しくて良い社会なんじゃないか(多田)